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 エミリとの待ち合わせ前に、洋服などが見たくてぶらついていた。近くにマクミクランがあったので、つい興味がわき、覗きに行った。ガラス張りだったので外からも様子が見えた。すごい、かわいらしい感じのお嬢様っぽい人も多く、身奇麗にしている人が多かった。地味な女性もいるにはいるけれど、角の方にいた。相川や九条君にとっては、ああいう風に見えて、目にも入らないのかもしれない。地味な普通の子を相手にするような、顔のいい男、条件のいい男性なんていないのかも。目指すところが違うかもしれない。あの映画のヒロイン、麻耶にはなれそうもない。かわいらしい小顔のくりっとした目。けなげにがんばるヒロインが、好きな相手に振り向いてもらう努力をして、色々あっても最後はハッピーエンド。そういう努力が実るのは土台が大事なのかも。
「素材か」九条龍司が言っていた言葉を思い出した。確かにあいつは素材はいいのかもしれない。あの時は動揺と怖さもあって興奮していたので、それどころじゃなかったけれど、九条君の家はかなりの豪邸だった。あの辺り、いくつか豪邸があって、自分の庶民の家との違いを感じた。ああいう家で暮らしていたら、庶民の普通の女がそばにいたら嫌なのかもしれない。言われてもしょうがないのかなあ……。

 ヘアメイクアーティストの四之宮さんのポスターが貼られていて、
「あ、見た事がある」とエミリに言ったら、
「当たり前。何度かテレビにも出てるし、雑誌にも載ってたよ」と言われてしまった。名前と顔が一致してなかったので、そうかここまで有名な人のものが見られるのかと思い、うれしくなった。
「エミリのおかげだ、ありがとう」
「そうよ、もっと感謝して」とエミリが胸を張っていたので二人で笑った。

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