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「あー、髪形をまた変えた」と何人かに言われて、
「いいじゃない」と言ってくれる人が多かった。本当は髪の毛の色ももう少し明るく染めた方がいいとは言われてしまった。
「さては、恋人ができたでしょ」と邪推して聞かれてしまったけれど、
「いや、そういうことじゃなくてね」とごまかした。そこへ、甲羅が通りかかり、
「あー、大橋ちゃん、かわいくなったじゃない」となれなれしく声を掛けられた。九条君がそばにいてチラッと見た後、気に入らなさそうにしていて、うーん、困ったなと思った。とてもじゃないけれど、言いづらい。あの場の勢いでデートすることになってしまい、それをこいつに報告するのも変だしなとは思ったけれど、ほかの子もいたので、彼の方ばかり見るわけにも行かずに、
「大橋ちゃん、デート?」と甲羅に聞かれたけれど、
「甲羅さあ、この間、また見かけたけれど、デートしすぎだよ」とほかの子に怒られたために、逃げるようにして行ってしまった。
「あいつって、懲りないねえ」と笑われていた。同じ学部内では甲羅は評判が悪くなっていた。エミリがやられたことと似たようなことをほかの子にもしていたらしい。そのうわさが流れてしまっていた。
「あいつって、いったい、何人彼女がいるんだろうね」と言い合っていたけれど、美優ちゃんが来たので、
「どうだった?」と聞いている子がいた。
「ダメ、何度か電話してみたけれど、ダメだって」とさみしそうだった。
「相手の男って難しそうだね。でも、何度か言えば、そのうちに分かってくれるよ」とそばの子たちが励ましていた。

「無理かもしれないわね」そばにいた海里ちゃんが、みんなと別れてから言ってきた。
「なにが?」と聞いたら、困った顔をした後に、
「相手の男性の気持ちよ。みんなは励ましていたけれど」と言ったので美優ちゃんのことなんだなと気づいた。
「注意してあげた方がいいと思うけどな」と言ったので、
「珍しいね」と驚いた。
「うん、だって、段君が」とそれ以上は言わなかった。段君は割とわかりやすい態度の人だから、美優ちゃんの顔を見ただけで動揺している。みんなは心配そうにしているけれど、それを口に出せるわけもなく、美優ちゃんは必死になってメールを出したり、電話していたりして、それどころじゃなさそうで、サリも、
「難しそうなんだけどなあ。とても、そう言えないよ」と困っていた。相手の男性を知らないので、みんなもどうしていいかわからない感じで、何も言えなくて、一部の子が応援していたけれど、
「当たって砕けてくれる男性もいるにはいるわ。ただしね、そういう男性だったら、もっと違う反応だと思うのよね。最初から」と海里ちゃんが言いだした。
「どういう意味?」
「花咲君と同じぐらい自分の考えがはっきりしていそうだから」うーん。
「そういう人だと気持ちは変わらないのかな?」
「ちょっと付き合う程度ならしてくれるかもね。相手の本命になるところまで行くには、ちょっと難しいかもしれないわよ。相手の男性の条件が良ければ良いほど、女性には困らないから、女性に求める条件を下げる必要はないもの。だから、その最初のハードルを何とかしたくて、プレゼントもかなり渡しているのなら、大変だと思うけどね」
「そういうものなのかな?」

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