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度量の狭い男


 相川がミイさんと派手にケンカをしていたと言う。
「近づくなとまで言ってたらしいよ」と教えてくれたので、
「何が原因?」と嬉しそうに聞いている子がいた。
「それがさあ、例のバイトみたいだよ」
「え?」
「『そんなことまでするな。お前は馬鹿か』って、そんな感じだったみたい」
「えー、ひどい。プレゼントを貰っておきながら」
「それも『知らなかったから、俺は悪くないからな』だって」
「ひどすぎる」と言い合っていた。
「知らなかったは、ありえないよね。噂は流れていたのは、あいつも知っていたじゃない。それを否定しただけで」
「いや、認めないでしょ、あれは」
「相川って、本当、度量が狭いね。ひどい。それぐらい許してあげたらいいじゃない」
「えー、無理でしょ。男って意外と、自分はそういう店に行く割には、そういう店の女の子と遊ぶ程度で付き合わないみたいだよ。うるさいみたいだから」
「えー、自分は行っておいて、それって、ひどくない?」
「そうだよね。男って自分勝手だ」と言い合っていたら、仲島君たちが通りかかり、
「ねえ」と誰かが話しかけて、相川の話をしていた。
「へえ、そうなんだ」
「俺だったら、嫌だな。自分の彼女がほかの男に触られて、お金のためにすることじゃないよ」
「えー、だって、相川に貢ぐためだよ」
「俺は無理。それを知った時点で駄目だ。触りたくなくなる」
「そばにいるのも嫌になるかもな」と言い出して驚いた。
「ひどくない? あなたたちだって、そういういかがわしい店に出入りすることだってあるじゃない。遊ぶことはしても、彼女がしてたら嫌なんて」
「え、そう言われてもさ」と周りを見回していた。
「俺は無理だよ。そういう店の女の子と付き合いたいとさえ思えないし」
「いや、付き合うのは楽しそうだからいいけれど、ほかのやつらに彼女の職業だけは知られたくない」と言い合っていて、
「厳しいんだね」と言い合っていた。

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