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 エミリと相川が学食でケンカをしてしまったようで、
「彼女からもらったものを返しなさいよ」とまで言ってしまい、
「ちょっと」と周りの子に止められていて、
「どうしたの?」と聞いた。
「だって、こいつ。私と付き合ってると嘘を言い触らすのよ」とエミリが怒っていた。
「い、いいだろ、それぐらい」と相川がむきになって言い返していた。
「嘘を言わないでと言っているの。あなたの彼女はミイさん」
「誰が、あんな、俺に恥をかかせて」と言ったら、エミリがいきなりひっぱたいた。
「い、痛いだろ。何をするんだ」と相川が怒っていたけれど、
「あのね、あなたのために無理させておいて、責任取りなさいよ。そういうところが嫌いなのよ」
「本当は俺のこと、好きなくせに」と分かって無かった。エミリは一度だって、こいつに好きと言った覚えはないだろう。それなのに、真顔でまんざらでもなさそうにエミリを見ている。どこまでうぬぼれが強いんだろうと驚いたけれど、
「ほらね、呆れるわ。あなたのことは絶対に好きにならないわ。プレゼントを無理して贈っていた女心も分からないような男なんて願い下げよ」それを聞いていた男たちはひそひそ言い出して、
「別にくれるものはもらっとけば」
「そうだよなあ。勝手に惚れておいて、くれておいて、うるさいよな」と小声で言いだして、女の子たちが睨んでいたけれど、気づかないようで、
「でもさあ、あれぐらいで怒らなくてもさ。どうせ相川なんだし」と好き勝手なことを言っていたけれど、相川は、
「無理してくれなんて一言も頼んでない」
「違うでしょ。彼女の前でほしがれば、それをあげたくなる女心を分かりなさいと言っているの。それなのに、自分は関係ないですって? 学食で言うことなの?」
「な、別に、それは」相川が周りの目線を気になったようで睨みつけていて、
「あのね、あなたが一番悪い。たとえ、彼女がそういうことをしたとしても。どうして優しくかばってやれないのよ。それが男として小さいと言っているの。彼女が何か言われたら、あなたがかばってやれば済む話でしょ。一番信じてほしい人に冷たい言葉を言われて、どれだけ」
「うるさいわ」と横から、ミイさんが出てきた。
「余計なことを言わないでくれる」
「あなたも言ってやりなさいよ。小さい男だって。そんな男のために必死になって、バイトして」
「あなたに関係ないでしょ。同情されたくないわ」とミイさんが強気だった。
「なあ、本当のことなのか?」と男子学生がからかうように聞いていた。
「お前がさ、あのへんな店で働いているって」
「へえ、その店に行けば、なんでもOKなわけ?」と言い出したので、
「ひどい」と女の子たちが怒り出した。
「謝りなさいよ。言っていいことと悪いことがあるわ」女の子たちが同情的になり、そばで冷やかすようにあれこれ言っていた男子たちが肩身が狭くなり、逃げ出す人もいて、
「謝って」
「そうよ、謝って」と言われて、渋々、
「悪かったよ」と言った後、罰が悪そうに逃げていた。
「相川も謝りなさい。彼女にそこまでさせておいて、男として卑怯よ」
「そうよ、そうよ」女性ばかりが残り、相川はさすがに逃げるに逃げられなくなって、引っ込みがつかなくなって、
「わ、悪かったよ。これでいいのか?」開き直るように謝ったために、周りがかなり呆れていたのに、
「なんだよ、謝っただろ」と相川はわかっていなくて、
「それで謝っているつもり?」
「そうよ、相川って小さい男ね」
「これから相川が通ったら『小さい男』って呼ばれてもいいの?」
「なんで、俺が」と怒っていたけれど、女性の目線がすごかったために、
「ふん」と逃げようとしていて、
「悦治」とミイさんがすがるように追いかけていた。
「あーあ、少しぐらいお礼を言ったらいいじゃない」と言い出す子もいたけれど、
「エミリも人がいいね。あれだけエミリたちを目の敵にして変なことを言いたい放題だったミイさんのことまで代弁してあげてさ」
「許せなかっただけよ。相川は金輪際話さないわ」とエミリが断言していて、
「あ、私も」とみんなが同調していた。それを見ていた男子学生たちが、
「女を敵に回すと怖いかも」
「俺も、あまりやめておこう」
「なにを?」と海里ちゃんに聞かれて、
「え、あ、いや、あまり口が過ぎると怖い」
「女って怖いよなあ」と言い合っていて、
「あれぐらい、よくあったでしょ」と海里ちゃんがあきれていて、
「俺、男子校だから」
「俺、男子ばかりのクラスにいたから」と教えていて、
「女の子は怖い」と言い合っていた。

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