Top Page About My Shop Catalog Buy Now Contact Us

Catalog
リストマーク  前へ 次へ

「あなたしか見てなかったし、誰が誰やら知らないよ」九条君がいつも一緒にいるメンバーは確かに顔は悪くないのかもしれないけれど、あの発言以来、関わりたくもないので、たいして興味がなかった。
「なるほどな。ほかの学生も同じなのかもな。甲羅がいたから、女子学生と良く話していたし、女子学生は俺たちと遊びに行きたいって誘ってくれていたから、それで勘違いし続けたってことなのかもな」彼らの話題と言ったら、感じが悪かった程度で終わっていて、誰も付き合いたいとは言ってなかった。
「甲羅の評判とともに、あなたたちも評判は落ちて、甲羅と同類とみなされていたってことなのかもね。ま、がんばるしかないんじゃないの。評判を取り戻すまで」
「そうなのかもな。一度ついたレッテルをはがすのは大変かもしれないな。女はミーハーだから、株がすぐに上がれば飛びつくなんて、やけになって言っていた奴もいたけれど」
「ミーハーな態度で寄って来られて、うれしいの?」
「あいつらはね。俺は無理」そうだろうな。
「あいつらがお前たちを馬鹿にしていたら、いつの間にか追いつかれていたのかもな」
「上から目線だな。眼中にもないと思うよ。今ではね」
「そこまでか?」
「ああいうことを上から目線で言うってことが、既に対象外にされやすくなるってこと。いくら、条件が良くてもね。人間として深みがないなあ。今はそう思う。だから、今、甲羅や彼らに何か言われても、相川と同じで相手にもしないかも」九条君が驚いた顔をしていた。
「ほかの女子学生も同じ感覚なのかもな。そういうので分かってなかったんだろうな、俺は」
「これから、分かって行けばいいじゃない」
「お前に出会って気づかされることばかりだな」と言った九条君の顔を見ていた。

 彼がジュースを取ってきてくれて、バルコニーで飲んでいた。
「ありがと」彼が私をじっと見ていて、
「なに?」と聞いた。

 前へ 次へ

ライン

inserted by FC2 system