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「ああ、違うよ。本格的な付き合いじゃない。一応彼女だったと言う女がいて、でも、俺たちは合わなかった。俺のことなんて、向こうも真剣じゃなかった」
「え?」
「俺に文句ばかり言っていた。注文ばかり付けていた。揚句が3股してた」
「え、ちょっとひどい」
「それも見抜けなかった。俺の後に二人追加されてたんだ」
「追加?」
「俺だけだと物足りなくて、ほかのやつと浮気してた。そのうち、後からのやつが本命になり、甲羅にばれて、俺に知られて怒られたのは俺だった」
「えー!! 開き直り?」
「そうだったのかもな。でも、俺の態度が悪いから、浮気される……とか、そういうような言いわけしてた」
「益々開き直りだ。ひどいね、それ」
「当時、俺は、そう言われて、怒ってもいたけれど、俺のせいかもしれないって、どこかで思ってた」
「どうして? だって、あなたのせいでは」
「それほど好きじゃなかったのに、付き合ったからだ。付き合うことに関して好奇心と流れだけで行ってしまった」
「それはちょっと困るでしょう」
「そうか? 誘われて、そこまでじゃなくて、暇つぶしの意味もあった。好奇心もあったしね。女の子と付き合う話は甲羅がしてたし、付き合ってもいいかと思っただけだ。それが相手には不足だったんだろ。『全ての時間を私に向けて』という女の子だった」
「疲れそう」
「俺は合わせなかった。それが相手には不満だったらしい。言うことを聞いてくれそうな男に行った。そうして、別れただけ」
「簡単に言うね」
「今だから言えるんだよ。当時は面白くなかったに決まってるだろ。向こうから言われたから付き合って、勝手に浮気して、俺が面白くないとか、ケチばかり付けてきて、『男として駄目だ』とか、文句ばかり言われたな」
「そんな経験がありながら、初美ちゃんにもだまされたんだ?」
「あれは流れで行っただけ。好きだったわけじゃない。暇つぶしだ」
「今も同じだとは言わないでよ」
「言わないよ。言えない」と言ってから黙ってしまった。
「どうかしたの? あなたらしくないね」
「俺らしくないのは、お前と出会ってからだ。あれから、なんだかイライラして駄目だな」
「はあ、なんで?」
「それがお前を好きだと言うことなんだろうな、きっと」と顔を見られて、びっくりした。

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