最短一時間

 幽霊の電話をミコちゃんにも相談できず、楢節先輩に相談していた。
「そうか、なるほど。何か理由はありそうだけれどな」
「でも、逃げることはないと思う」
「お父さんにしてみれば触れられたくないことなんだろうな」
「なんでだろう?」
「さあな。でも、逃げてるわけにも行かない。向こうは会いたがってるんだろうし」
「でもなあ。よく分からなくて」
「おばあさんとかなら知ってるんじゃないのか?」
「うーん、でも今入退院を繰り返しているんですよ。あまりにも聞きづらくて」
「それなら、困るなあ」
「何か、調べる方法はないかなあ?」
「戸籍ぐらいしか無理だろうな」そう言えばそれがあった。
「でも、死別か離別かぐらいしか分からないですよね」
「でも、それでハッキリするだろう?」
「ですね。今度行って来ますです」
「お前、時々、言葉遣いが変だぞ」
「ま、テレビっ子ですから」
「嘘つけ、見ていないくせに」
「それはホームドラマだけですって。バラエティは好きですよ。クイズもね」
「ホームドラマね。うそくさいのもあるからな」
「本当の家族ってどういうのかなあ?」
「それは俺にもわからないぞ」
「どうして?」
「俺のところもそういう風じゃないからな」
「本当の家族に囲まれていたら幸せかなあ?」
「お前の自信のなさと引っ込み思案はそこにあるな」
「『母親いないんだろう』って、何度かいじめられました。前の学校で」
「小学生だとあるよなあ」
「中学生でもあると思わなかった」
「誰だよ。例のやつらか?」
「当たりです。お前、『母親いないんだろう』って、太刀脇君にしつこく言われてしまって」
「変なやつ。いたっていなくたって、そいつに何の関係があるんだよ?」確かにね。意味不明だ。

「仲が良さげなカップルだと思ったら、あいつらか、冷やかしてくるか?」と的内君が言い出したら、太刀脇君が、
「いい」と元気なさそうに言ったため、
「珍しい」
「しかし、あれほど続くとは相性がいいのか?」とそばの男子が笑っていて、
「意外と地味な子がお好みとは、生徒会長も地に落ちたわよね」と加賀沼さんが言ったため、太刀脇君が睨んでいて、
「なによ。あんな、冴えない子と比べられて」
「お前の票が入らなかったのは、その性格に問題があるからだろう? やめておけよ」と珍しく山崎君が止めたため加賀沼さんが驚いていた。
「しかし、お前に振られて、生徒会長に乗り換えるとはやる事が大胆だよな」とそばにいた男子に言われて、山崎君はその場からいなくなった。
「あいつも、何考えてるのか時々分からないよな」
「そうか、なんだか、変だけれどな、この頃」
「前からクールではあるけれどな」とみんなが言っていて、
「まったく」と戸狩君があきれていた。

 教室ではからかわれなくなった代わりに、今度のターゲットが武本さんと山崎君になっていて、ことあるごとに言われているのを聞いているのが辛くて、いつも外に出るようにしていた。
「また、ここにいらしたの?」と碧子さんに言われてしまった。
「中に入らないでよろしいの?」
「ポスター貼りとか色々やってるみたいだけれど」と言っていて、「お互い、ああいうお祭り騒ぎは苦手だよね」と言い合っていた。ミコちゃんのために、クラスの男子や女子が集まって色々話あっていた。うるさいぐらいで先生が来る直前までここにいる事が多くなった。
「なんだか、疲れちゃった。テニス部もごたごたして、うっとうしくて」
「なにかありました?」
「選手でもめてるの。夏の試合で引退なのだけれど、春で引退にしてくれって、男子の先輩が言ってる」
「あの人は?」楢節先輩の事だろうな。
「受験は関係なさそうだよ。あの人はほっといてもどこでもいけそうだ。余裕があるからなあ」
「テニスも上手で家もお金持ちなんですってね」
「そうらしいね。よく知らない」
「彼氏なのに?」と碧子さんが驚いていた。彼氏ねえ。あれだけ、「冗談きついよ」とか、言われていたけれど、さすがに言われなくなってきた。それより、連休の試合が終わったら、私たちも選手候補として色々変わってくるらしい。誰と組むとかあるらしいから、一之瀬さん以外ならいいなあと考えていた。もっとも、この間、ほとんどの人がそう言ったため、ほっとしたけれど。みんな本当は裏でそう思っていたらしい。でも、面と向かって喧嘩する事も出来ないから、我慢していたようで、彼女と組む事を押し付けあっていた。もっとも、彼女は後衛だけれど、私とは実力に差がありすぎるため大丈夫だろうなと思っていた。
「彼氏ってどういう感じなのかしら?」と聞かれて、
「さあ、私もわからない」と答えたため碧子さんが上品に笑っていた。

 連休前にポスターを貼り終えて、あちこち演説していたり、「清き一票を」と言い合っていて、大変そうだなと見ていた。
「先輩もあんなんでした?」と楢節先輩に聞いてみた。
「いや、俺はすんなりだよ。他の強敵がいないからな。もっとも、ルックスでも成績でも飛びぬけているから」
「何より、うぬぼれが強くて、口が上手だからですか」
「こいつ」と叩かれた。
「仲がいいわね」と言われて見たら、知らない人だった。
「なんだよ、さっさと帰れよ」と先輩が怒っていた。
「言われなくても帰ります。気をつけなさいよ、あなた。この人でなしに、『ぼろきれ』のように捨てられるわよ」と言って去っていった。
「『ぼろきれ』ってすごいなあ。この間は雑巾でした。ごみもありましたよ。いったい、何人の女の人を泣かしてきたんですか?」
「星の数ほど」
「星条旗の範囲内にしてください」
「50ね。ま、努力するさ」
「大学行くまでに超えそうだな」
「超えるかよ」と笑っていて、
「お前って本当、面白いよな」
「しょうがないですよ。嫌と言うほど本を読んでますからね。聞く人がいませんから。今じゃ父も帰ってきやしない」
「寂しくないのか?」
「寂しいといって、誰が来てくれるんですか?」
「俺」
「えー、勘弁してくださいよ。危ないじゃないですか」
「一応恋人同士だろう」
「見えませんけれどねえ」
「自分で言うなよ」と先輩が呆れていた。

 試合前に先生から、色々アドバイスを受けていて先輩達の目の色が変わっていた。うーん、私たちの代もああなるのかとのんびり見ていた。どうせ、私は選ばれそうもないからと思っていたからだ。反対に一之瀬さんやその周りはなんだかそわそわしていた。ほっとこうと思い、みんなの後ろに下がって、先輩を見ていた。でも、本当はその向こうにある体育館を見ていて、熱いためか、入り口のところに隙間《すきま》が開いていて、そこから時々ボールが出てきた。後輩が取りに出てくるのを見ていて、
「ネットが低いから」ぼやいていた。本当はもっと高い入り口を覆うぐらいのネットがあるらしい。でも予算の関係なのか買っていなかった。
「手作りで作ればいいのに」とつい言ってしまったら、
「貧乏人は嫌よね」と一之瀬さんに言われてしまって、うつむいた。困った人だ。

「そういうことはあるだろうな」先輩に、さっき貧乏人と言われたとぼやいたら、いきなりそう言い出した。
「なんですか?」
「そうか、近所じゃないからだろうな。そういうのは色々言い合ってるのを何度か聞いた事がある、ライバル意識というか相手の方が気になるのか良く分からないけれどな。この学校の南側に住んでいるのはあまり裕福じゃないのが多いんだよな。団地もあるし、県営もあるし、社宅もあるし、一戸建てが多いのが俺のところとお前達の住んでいるあたり、それから北西の当たりも比較的多いはずだ」
「そう言われるとそうでしたね」
「川沿いは全部団地だしな。マンションはまだ少ないし」
「そう言われても、まだ良く把握してません」
「3年住んでいるだろうが?」
「出不精《でぶしょう》ですから」
「困ったやつ。だから道に迷うんだぞ」と笑っていた。先輩とは私が一年生のときに、この学校に来るのに迷ったときに助けてもらった恩がある。但し、
「あの時はお世話になりましたよねえ」と睨んでしまった。
「お前も悪いぞ」結局、先輩のせいで遅刻ぎりぎりになって、かなり怒りまくったため、そのときから先輩は私と仲良くしている。まさか、そのときは生徒会長になるとは思ってもみなくて、でも、なんとなくわかる気もするなあと思った。昔住んでいた場所に、先輩と似たような人がいたため、なんだか話しかけやすくて、色々話すようになっていた。そのときは知らなかったんだよね。まさか、色々噂のある人とはね。
「しかし、お前ぐらいだよな。俺の事そうやって睨んだり、尊敬もしてなくて」
「出来るような部分を見せてくださいよ」
「お前が知らなさ過ぎるんだ」
「仕方ないですよ。下の学年なんだから、体育大会も寝ていましたから、見ていなかったし」
「せめてテニス大会やその他をしっかり見ろ」
「前向きに努力します」
「おまえは俺に厳しいよな」と笑っていた。
「恋人ってどういう感じなんですか?」
「教えてやろうか?」と寄って来たので、思いっきりつねった。
「痛いなあ。お前、気安いよ。曲がりなりにも俺は生徒会長だぞ」
「曲がりきってますけれどね」
「呆れる言い草だなあ」と笑っていた。
「しかし、あの女も性質悪そうだよな、どうするんだ?」
「知りませんって」と、遠くを歩いていく一之瀬さんを見ていた。
「ま、俺は引退するからかばってやれないけれどな」
「庇《かば》っていなかったくせに」
「俺はあの手のは面倒だ」
「美人がいいんですか? それとも、かわいい子ですか? 紹介できないなあ」
「氏家さんにしてくれ」
「彼女は無理ですって、深窓《しんそう》のご令嬢って噂ですよ」
「らしいけれどな。俺の家もそれなりだ」
「へー、良かったですね」とそっけなく言ったら、
「お前、俺に興味がないだろう?」と聞かれて、思いっきりうなずいたらまた叩かれた。

「変なカップル」と的内君たちが私と楢節先輩を見ていた。
「知ってるか。先輩の今までの中で一番短いのって1時間らしいぞ。そういう中ではまだ持っているほうだな」
「一日持たないという噂は本当なんだな。しかし変わった趣味だな。ドジで、痣ばかり作っていて」
「もうやめろ」と太刀脇君が言い出したため、みんながびっくりしていた。
「なんだよ、元はといえばお前がちょっかい出そうって言い出したんだろう? なんで、急にやめろなんて言うんだよ」
「この間、殴られそうになった」
「誰に?」
「別に」と怒っていて、
「まったくよー。気に入らない。美人もかわいい子も全部、あの人か戸狩が持っていくしな」
「山崎の人気急上昇はちょっとな。まったく、あんな喧嘩するからさあ。しかし、あいつも何考えてるか分からんぜ」
「あいつの話はやめろ」と太刀脇君が言ったため、みんなが驚いていた。
「なんだよ、何かあるのか?」
「別に何もねーよ」と言っている顔が不満そうだった。

 私は、碧子さんと一緒に、ごみをほかりに行った帰りに、また嫌味を言われてしまった。
「冴えない子ねえ、どこがいいのかしら」と言われたので、ほっとこうと思った。
「呆れるわよね。無視して」と言われて、困ったけれど、横を通り過ぎてから、つねられてしまい、
「痛い」と悲鳴をあげた。
「やめろ」と誰かが寄って来て、相手の手を持っていた。山崎君だった。、
「あなた、何?」つねった女の人が睨んでいた。
「先にやったのはそっちだろう? 名乗る必要はないね」とすごい顔で睨んでいた。怖いぞ。
「あ、あの」と口を挟もうとしたら、
「こんな子ほっといて行きましょう」とその女の人たちが行ってしまったあと、山崎君を見た。
「あ、ありがとう」と言ったあと、そこから行こうとしたら、
「お前」と言われてしまい、振り向いた。
「あ、いや……」とちょっと困っていて、
「ありがとう」と頭を下げて、そこから立ち去った。
「山崎君、どうしたんでしょうね?」と碧子さんに聞かれたけれど、なんだか怖くなったため考えたくはなかった。

 帰るときに先輩が今日は一緒は無理だと言ったので、先に帰ろうと思い、校門を出た。遅くなっちゃったなと思った。先輩は選挙管理委員会の責任者として、色々動いていたらしい。歴代の生徒会の人たちが代替わりにそういうことをするらしい。色々大変だ。学級委員も所属していて、遅くまでやってるんだなと思いながら、歩いていて、
「詩織」と呼ばれたので、そっちを見た。誰だろう? 高級そうなバックを持った、綺麗な女の人が私を見ていて、うーん、知らない人だなと思って、そこを通り過ぎようとして、
「詩織なんでしょう?」と聞かれて、ピンと来た。幽霊だなと思った。でも、見覚えないなと見ていた。
「あの、あなたの母親の」
「お母さんは死んだそうです」と言ったら、上げていた手を下げていた。困った顔をしていて、
「そういうことだそうなので、父の了解を取ってからにしてください」
「無理よ」と言ったので、困ってしまった。
「とにかく、私は困るから」と言ったら、寄ってきて、
「とりあえず、話でも」と手を握ってきたので、怖くなって後ろに下がった。かなりもめていて、「とりあえず車に乗って」と言われて、「困りますから」とやりあっていたら、
「お前、誰だよ?」と誰か、男子が寄って来た。
「その手を離せよ」と私が握られている手を強引に離していて、その顔を見てびっくりした。山崎君だったからだ。
「何しているんだよ?」
「私はこの子の母親です」と相手が言ったために、山崎君が驚いていて、
「本当か?」と聞いてきた。
「知らない人です」
「違う。本当に母親で」
「とにかく知りません。今日のところは帰って」と怒鳴ったら、相手の人が困った顔をしてから、
「また、会いにくるから。あの人の了解は何とか取るから、だから、一度話を」と言われて、横を向いていた。相手はしばらく私を見つめたあと、車に戻って行った。
「すごい外車だな」と言ったので、その車を見たけれど、よく知らなかった。
「知らない人だから」
「母親じゃないのか?」
「会ったこともない人だから」と言ったら、それ以上は聞かずにじっと見ていた。
「とりあえず、帰ろうぜ。家、風見ヶ丘でいいんだな」
「どうして知ってるの?」と聞いたら、すごく驚いた顔をしていた。
「そんな顔をしなくても」
「え……いや……いいよ、一緒に行ってやるよ」
「いいよ、かなり坂道を登るよ。そっちはどこに住んでいるか知らないけれど、遠回りになるだろうから」と言ったら驚いていて、
「いいよ、また、待ち伏せされてたら困るだろうしな。このまま、黙って帰すのも心配だから」と言いながら、さっさと歩き出した。
「いいよ、悪いし」
「つべこべ言わずに、歩けよ」と言われて、それ以上言えなくなった。しばらく、黙ったあと、
「あの、ありがとう」と言ったら、ほんの少し顔が赤くなった気がした。そうか、こういう顔もするんだなと見ていた。
「今日は一緒じゃないのか?」
「だれが?」
「あの人、恋人じゃないのか?」そんな人いたっけ?……と考えて、
「ああ、もしかして、先輩の事? 別にいつも一緒じゃないほうが向こうには都合がいいと思う」と言ったら驚いていた。
「なんだよ、それ?」
「あの人は複数の人と同時に付き合うほうが向いてるのかもね」と言ったら、怒り出した。
「もっと、自分を大事にしろ」とすごい剣幕で言ったので、びっくりした。
「……ごめん……なさい」
「あ、いや。驚かそうと思ったわけじゃなくて」と、途端に困った顔をしていた。
「ごめんなさい。怒られるの慣れていないの」
「え?」
「そういうのがなかった家だったの」
「どうして?」
「よく分からない。普通の家庭だと怒られるのかなあ。ホームドラマとか見た事ないから、よく分からないの」
「俺のところはかなり怒られるよ。爺さんが説教癖《せっきょうぐせ》があった。仏教書が家に置いてあったり、哲学の本がいっぱいあったな」
「硬い家なんだね」
「ああ、そうだな。しつけはうるさかった」
「しつけか……」とぼんやりしてしまった。
「お前……」と言ったきり、黙ってしまったため、気まずくなった。
「あの……?」
「ああ、いいんだ」と言った顔がなんだか、複雑そうだった。
「人気投票、すごかったね」何か言わないと落ち着かず、そう言ってしまった。うーん、何言ってるんだろうな、わたし。途端に機嫌が悪そうな顔をしたので、言うんじゃなかったと後悔《こうかい》した。
「お前……」とまた言ったあと、ずっと黙っていて、
「ああいうのでいっぱい票が入るのってどういう気持ちなんだろうね。きっと、一生ないな」
「入っていただろう?」
「ああ、あれ、何かの冗談だと思う」
「違うよ」
「え?」
「あ、いや……」と困った顔をしていたけれど、
「昔あったの」と言った。
「何がだ?」
「いたずらが。小学校のときに『やらせ』って言うのかな、わざと投票させるような事をしてね。なんだか、嫌だったから」とうつむいたら、
「そんなことは気にするな」と強く言ったので、思わず見てしまった。
「なんだか、怒っていない?」
「いや……」と言った顔が、なんだか機嫌が悪そうだった。
 話す事もなくて、適当にテニス部の話や今まで読んだ本の話になり、今読んでいる本の話をしたら、驚いていて、
「そんなものも読むのか?」とびっくりしていた。
「分からないもの。聞く人がいない」
「え?」
「人との付き合い方って良く分からなくならない? 中学生になって少しは良くなったけれど、昔はよくからかわれて、いじめられてたの。でも、『その人たちの気持ちになって考えてあげないと』と言われたの。おじいちゃんに」
「おじいちゃん?」
「死んじゃったの。もう、5年になるかな。おじいちゃんたちと暮らしていて、母親がいなかったから、よくからかわれたの。太刀脇君みたいに、『お前、母親いないんだろう』と言われ続けて」
「そんなこと……」
「ああいうことを言う人の気持ちって、分からなくてね。それで、図書館でそういう本を見つけて、読んでみたの。でも、やっぱり分からないな。意味不明」
「太刀脇は言わなくなると思う」
「どうして?」
「とにかく、気にするな。お前に落ち度はないよ」と言ったので、その横顔を見ていた。
 結局、家まで送ってくれて、山崎君がしばらく私の家を見ていたのが気になったけれど、
「あの、ありがとう」と言ったら、ちょっと照れたような顔をしてから、
「じゃあな」と行こうとしたので、
「どこに住んでいるの?」と聞いたら、振り向いてから、
「下三軒《しもさんげん》町」と言ったのでびっくりした。
「遠いじゃない」
「お前の足ならそうだろうけれどな。いいトレーニングになるから、いいよ」と言って、さっさと行ってしまった。確かに早歩きだった。そうか、私の足に合わせてくれてたんだ。悪いことをしちゃったな……とぼんやりしてしまった。

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