思い出の人

 次の日、朝一番にお茶菓子を買いにいき、掃除もしたりして待っていて、最初に来た人を見て驚いた。
「なんで、お前が来るんだ?」
「永井君に聞いた」
「あいつは呆れる」
「いいじゃないの。相手に一度はっきり言わないとね」と母が言ったため困ってしまった。
「大体、この家の敷居《しきい》をまたげると思っているのか」
「いいじゃない、相変らず了見《りょうけん》の狭い人ねえ。別れて正解」とやりだしたため、
「そろそろ来るからやめてください」と止めながら、ため息をついた。
 相手の家族が謝罪に来た。最初に来た宮内さんのお母さんはうるさい人だった。一之瀬さんの親は部屋の中をじろじろ値踏みするように見ていて、何人かが一緒に来ていて、最後に来た加賀沼さんのお父さんは、なんだか青い顔をしていた。元気がないなあ。
 謝罪は一応してくれたけれど、母が問い詰めてからはうるさくなった。こっちが母親がいないからと一之瀬さんが言い出したけれど、反対に、
「ご近所でも評判のお嬢さんなんですってね。揉《も》め事ばかり起こして」と母が言い出した。色々調べでもしたのか、加賀沼さんも、それから宮内さんのことも知っているようで、それ以外の人のも少しだけ言ったため、相手が警戒《けいかい》していた。それから、私が受けた数々の嫌がらせも全部筒抜けで唖然とした。いったい、誰に聞いたんだ? 
「そういうことばかりしていると聞いています。今後一切こういうことはないようにしてください」と言ったため、一之瀬さんの親でさえも困った顔をしていた。子供までつれてきたのは一之瀬さんだけで、後は誰もいなくて、
「もう、いいだろう。今後、このような事がないようにしてもらわないとね。もしも、怪我がもっとひどかったら、自分の娘も同じ目にあったらと置き換えて反省してください」と父がいって、さすがにみんなが困った顔をしてうつむいていた。一人、一之瀬さんだけはあまり反省しているようには見えなかったけれど……。
 みんな帰る時、玄関においてある外車を見ていて、
「なにか?」と母が聞いた。加賀沼さんの家の車も黒塗りの高級車だったけれど、それより大きかったため、
「すごい車ですわねえ。いったいどなたの?」と一之瀬さんのお母さんが値踏みするような顔で聞いていて、
「私のですわ。社用車ですから」と言っていて、相手がちょっと驚いていた。全員帰ったあと、ぐったりしてソファにもたれた。
「お前はよけいな事をベラベラと」
「アメリカなら、賠償《ばいしょう》ものよ。呆れるわあ。全然、反省しそうもないわね。あの人、一之瀬さんだったかしら。人の家の持ち物ばかり見ていて」
「お前の家じゃないだろう?」
「でも、私が買った物が多いわよ」
「ああ、いいから。もう。永井に言っておけよ。よけいな事をするなって」
「しょうがないじゃないの。心配だったんだもの。良かったわ。めいが同じ学校で」
「え?」
「ああ、いるのよ。それでね。お前の近況を教えてくれて」呆れる。そんな事をしていたのか。
「お前も帰れよ」
「何よ、その言い方」とまたやりだしたので、しばらくほっておいた。疲れていたからだ。
「ご飯どうするの? 食べていくなら作るけれど、それに午後から出かけないといけないの」
「どこに?」と母が聞いた。
「約束したの。試合を応援に行くってね。だから、どっちでもいいから決めて」
「食べて行くわ。久しぶりに話したいし」
「話すことなどない」と父が怒っていて、
「あらやだ。詩織とよ。あなたと話しても時間の無駄」
「いい加減にしてください」と呆れてしまった。

 結局、ご飯を作っていて、
「へえ、手馴れてるわねえ。こっちは外食が多いのよね」
「夫婦なのに?」
「こっちだとそういうのは普通よ。外食をしないと離婚される」変なところ。
「子供がいてもそうなのよ。ベビーシッターとか普通だしね。こっちはそういうバイトがないんですってね」
「バイト?」
「あるのよ。高校生とか多いわよ。自分のお小遣いを自力で稼ぐの。だから、しっかりしている子が多いわよ。一度遊びに来なさいよ」簡単に言って、
「なんなら、一緒に住んでもいいわね」
「それより、なんでもいいの? アメリカってハンバーガーばかり食べていそう」
「日本食もあるわよ。豆腐もあるし、色々ね。お米だって売ってるわよ」
「そうなんだ。よく知らない」
「そうね、そういう社会勉強もしたほうがいいわ。その話も今度しましょう」
「社会勉強ねえ。その前に英語苦手」
「あら、得意だと聞いたわよ」
「だれに?」
「永井君の姪御さん。隣のクラスだと思ったけれど」誰の事だろう? 
「それにねえ。色々聞きたいわね。近況とか? そうそう、楢節とか言う子にも会いたいわね」よけいな事を。
「そういうことは今度ゆっくりね」とため息をついた。

 ご飯を食べ終わってコーヒーを飲んで、試合会場まで送ってくれる事になった。
「お前の運転は危ないからなあ」
「いいじゃない。もう慣れたわよ。あなたと違って器用だからねえ」
「よく痣作るくせに」この人に似たのか? 
「あら、なあに」と私が見てしまったために母が聞いてきた。
「いいえ、どういう性格なのかなと思っただけ」
「ゆっくり教えてあげるからね」
「よけいなことは言うなよ」と父が心配そうにしていた。車に乗ってから、
「保育園ってどこなの?」と聞いてみた。
「きらきら星よ」すごい名前。
「一緒に暮らしてたんだよね。今の家で」
「そうよ、どうして?」
「ちょっとね、記憶があいまいで」
「ああ、それね。色々あったからでしょう? でも、いいじゃない。話す人がいて」
「話す人?」
「あの子、そうなんでしょう? 山崎君ってどこかで聞いたなあと思ってたのよね。後でフルネームを教えてもらって思い出したけれど」
「フルネーム?」
「山崎拓海って言うんでしょう? 懐かしいでしょう。よく一緒に遊んでいたものね」
「あの……?」
「拓海君、拓海君って、毎日のようにいっぱい話してたわよ。私の後ろを付いて歩いて、洗濯を片付けてるときとか、掃除しているときとか、ご飯の支度のときも、内容は忘れちゃったけれど、さすがにあれだけ連呼されれば覚えてるものよね。名前を」
「名前?」
「あら、覚えていないの? シロツメクサを編んであげたとか、ピアノ弾いたとか」
「それって……?」
「ピアノもそこで弾いて習いたいって駄々をこねてね。でも、やめちゃったんでしょう? 田舎じゃ教える人もいないものね」ピアノ……シロツメクサ……。
「でも、面影《おもかげ》ないわよね。かっこよくなってて、びっくりしたでしょう? 何年ぶりだったの? 向こうは何て言ってたの?」そう言えば、色々教えてくれていた、シロツメクサの事もピアノの事も懐かしそうに、それに時々……、
「昔は幼稚園のそばに住んでいたのよね。今もなの?」
「三軒町に住んでいる」
「ふーん、あっちなんだ。ちょっと離れてるわね。昔はあの辺りも家がまったくなくてね。初めて出来たお友達だったのよね。その頃は、観野さんもまだ来ていなかったはずだしね」
「え?」
「確かそうだと思うわよ。この間、懐かしくてね。久しぶりに会ったわよ。この家に来る途中に、ほら、角の酒屋の男の子。ガキ大将であなたをいじめていた子の親」
「変な事覚えてるね」
「買うものがあって寄ったら、向こうが覚えていてね。話し込んじゃった。あの子、あなたと一度ぐらい遊びたかったのにって、小さい頃言ってたらしいわよ」よくわからない? 
「向こうが一つ上だったし、体も大きかったからねえ。シロツメクサの冠を作ってもらいたかったって小さい頃に言ってたと話していてね。だから、一緒に遊んでいた拓海君と喧嘩してと言っていて、それで思い出したのよね。その話を」
「そうなんだ」そうだったんだ。色々教えてくれていたんだ。この間の話は、全部私のことだったんだ。そう言えば、何度かこっちの顔色を見るようにしていた、全然気づかなかった。よく考えれば、今だって近所に同年代は少ないんだから、あの話を聞いたときにピンとこないとおかしいのに。私はずっと黙って聞いていて、そうか、あれ、全部私との話だったんだ。だから、おじいさんも、あの時……。
「私、拓海君と呼んでいたんだね。向こうは?」
「さあねえ、詩織とか詩織ちゃんじゃないの」詩織ちゃん、詩織……。ひょっとして……? 
「どうかしたの?」
「お父さんはどうして、何か隠しているんだろう?」
「ああ、あれね。聞いてみたけれど、駄目だわ。強情よ。『おまえには言わない』の一点張り」そう言ったのか。
「昔からそうなのよね。困った人だわ。それより、あなたも気をつけなさいよ。聞いたわよ。拓海君がらみで起きたんですってね。今日の人たちの中に彼のことを好きだった子が3人いるんですってね。それで振られた腹いせに」
「3人?」
「一之瀬とかいう子と、加賀沼さん、それから」
「そうなんだ」
「見た目がいいし、ちょっとクールな感じがいいのかもねえ。あなたはどうなの? そう言えば、楢節さんとか言う人は? 生徒会長なんですってね」
「ああ、あの人とは何でもないの。ちょっと頼まれて」
「ふーん。そうなの? 男友達がいるのは普通だと思うからいいけれど、あまり評判の良くない人らしいわね」
「そうでもないよ。女の人のこと以外なら信用があるし」
「あら、そっちで身持ちを崩しそうね」
「それはあるかもなあ。呆れるから」
「その分だと大丈夫そうね。その人じゃないんだ。じゃあ、やっぱり、彼なの?」
「お母さんってお父さんとどうして結婚したの?」
「あの当時は良かったのよ。かっこよかったしねえ。でも、了見が狭いわ」
「あのね」
「それから、意外とせこくて」
「もういい。聞いた私が悪かった」
「あなたもしっかり選びなさいよ。山崎君はとりあえず合格ね」勝手な事を言ってる。

 校門まで送ってくれて、
「じゃあね、気をつけるのよ」と言われてうなずいた。もう始まっているため、音が聞こえた。体育館は奥の方にあった。歩きながら、他校の生徒がうな垂れながら帰っているのが見えた。うーん、今日は数試合が行われているらしいから、もう終わったのかもしれない。彼は大丈夫かなと心配になった。靴を脱いで、袋に包んで持っていた。さすがにこの数があるとどこに置いたか忘れそうだった。2階建てでうちと大違いだなと思いながら入った。もう、試合が始まっていて、うちの学校の生徒も来ているようだった。どこだろう? と思って、見ていた。彼は控えの方にいて、立って待っていた。私は少し離れたところで見ていた。あまり、そばによるのもなんだか怖かった。
 そのうち、点数が開いてきて、選手が入れ替えになっていた。
「早く先輩出てくればいいのに」という声が聞こえた。山崎君はまだ、入っていなかった。それにしても、こっちのコートはめまぐるしいなと別の中学の試合も時々見ていた。そういう作戦なのか、選手交代が多かったのだ。反対に、私たちの方は時々しか行っていなかった。
「バスケって何度も入れ替えできていいよな」とそばの男子が言っていた。そうなんだろうか? 
「疲労しやすいかららしいぞ」それは分かる。激しいスポーツだなと思った。体力がないと難しそうだ。背の高さはあまり関係ないのかもしれない。そばでやっている別の中学校の方は低い子がちょこまか動いていて、相手が背が高かったため、やりにくそうだった。
「先輩、がんばって」と言ったので、見たら、山崎君が入っていた。私は人から見えないように後ろの方のちょうど、二つのコートの境目辺りに座って見ていたので、同じ中学の人は気づいていないようだった。そばにいた子が、移動したため、前に誰もいなくなったけれど、すぐに後ろの子が座っていた。私の周りは相手の中学の子が多いらしく、シュートが入るたびにため息をついていた。山崎君がまた交代していて、違う人に変わっていた。控えの人もいっぱいいるけれど、部員も多くて、テニスと大違いだなと思った。テニスは学年ごとに別れて座ったりするし、別の学年の子だと話もしないぐらいだ。反対にバスケは一丸となって応援していて、声もいっぱい掛けていた。仲が悪いと聞いていたけれど、試合に対して前向きだし真剣に見えた。取り組む姿勢が違うのかもしれない。そのうち、接戦になっていて、一点差で負けているところで休憩になっていた。私はため息をつきながら、下を向いていた。疲れたなあと思いながら座っていたら、誰かに引っ張られた。見たら、一之瀬さん達で困ってしまった。
「あの」
「出なさいよ。あなたなんかが来る所じゃないわよ」と怒っていた。
「さっさと出なさいよ」とわたしが持っていた靴の袋を勝手に持って歩いて行ってしまったため、試合が気になったけれど、後をおった。
「返して」体育館の入り口のところで言ったけれど、一之瀬さんは気に食わなさそうな顔をしていて、
「身の程知らずにも程があるわよ。親とかに言われていい気になってるんじゃないの? 言っとくけれど、彼が出られなくなったのはあなたのせいよ」
「だって、あれは」
「あなたがドンくさいから落ちたりするのよ。あなたを助けなければ、山崎君は試合に出られたのよ。あなたが悪いのよ」と言われたため、
「違う。山崎君のことも全て、あなたが悪いんだわ」と指差した。一緒にいた山崎君のファンらしき女の子がびっくりしていた。

「全部、あなたが悪いと思う。人のせいにしないで。そうやって、ごまかして何になるの? 山崎君のことが好きなら直接言えばいいじゃない。私に八つ当たりしないで言えばいいじゃない。好きだって」
「言ったわよ。でも、駄目だって。彼には好きな子がいるらしいわよ。昔の彼女だって。忘れられないんでしょうね。『思い出してくれるまで待ってる』なんて言ったらしいけれど、だから、あなたなんて相手にしてもらえない」
「そんなことはどうでもいいよ」
「え?」と、一之瀬さんが驚いていた。
「相手にしてもらえないなんてことは私が一番よく知ってる。今言ってるのは、八つ当たりしたって解決しないってこと。あなたは間違ってる」と言ったら、ひるんでいた。
「私に八つ当たりして何になるの? そうやって、認めてもらえない事を私で晴らしているって、山崎君が言ってた。あなたは認めてもらいたい、褒《ほ》めてもらいたい、居場所がほしいって、だからテニス部でも山崎君のことでも認めてもらえなくて、私で八つ当たりして、そういうことをしたら嫌われるよ。山崎君、一番嫌いだと言ってた。許せないって。今度の事だって犯人は知ってたみたいだよ。だから、目撃者を探していて、あなたが認めないことも分かっていたから、あなたが反省しない事も分かっていて。そういうのは嫌いだと思う。方向性が間違ってると言ってたから。彼に認めてほしかったらテニスとかでがんばるしかないよ。自分が一番がんばれることで見返して振り向いてもらうしか」
「あなたに何が分かるのよ。こんなもの」と言って私の靴の入っている袋を外に投げていた。一階の更に下の地面に落ちていて、
「そうやってごまかしたって、誰も認めない。あなたはいじめっこだからって。山崎君がそう言ってたよ。その意味が今やっと分かった。物に当たって、自分は悪くない、悪いのは私だって、この期に及んでまだ思ってるんだね」と言ったら、そばにいた人たちが驚いていた。騒ぎを聞きつけて、周りに人が集まっていた。ひそひそ言っていたので、きっと同じ学校の人なんだろうと思う。
「よく考えて」と言ってから、袋を取りに行った。

 袋を取りに行ったあと、うるさくなったので試合が始まったんだなとわかった。足のよごれを払ってゆっくりと戻った。さっきの入り口は嫌だったので、違う入り口から入って、反対側に移動した。点差が開いていて、また山崎君が入っていた。手を傷めたのかちょっと痛そうな顔をしていたけれど、メンバーと何か言い合っていた。何度か、顔をしかめていたけれど、それでも彼はがんばってやっていた。相手がわざとファールしていても、それでも我慢していて、一進一退だった。もう一つの試合が盛り上がっていて、その陰から必死に見ていた。「がんばって」と言いながら手を前に組んでしまっていた。
「山崎」「先輩」とすごい大声になっていて、相手のシュートが決まってしまい、審判が時計を見ていた。残り少ないんだ。
「きゃー」というもう一つの試合が終わった声が大きくなり、残り少しとなったとき、
「先輩」「頼む入れてくれ」という声と共に、「拓海君!」と大声を出した。彼のシュートがバスケットに当たって、回転したあと、ゆっくりと吸い込まれるように入ったため、「わ〜!」と歓声に包まれていた。私の声はあまりの大歓声でかき消されていて、聞こえなかったと思う。それでも言えて良かったなと思った。帰ろう。みんなに見つかる前に帰らないと……と思いながら、外に出た。靴に履き替えて、誰かが追ってきた。
「待ってください」と言ったので振り向いたら、後輩たちだった。テニス部の子が何人か混じっていて、
「すみませんでした」と謝ってきたのでびっくりした。
「ラケット隠したの私です」「嘘を流したの、私なんです」「先輩達に嘘をつきました」と次々言ったため、何の事?……と思ってしまった。
「さっき、一之瀬先輩に言っているのを聞いて、恥ずかしくなりました。山崎先輩がそういうことをするヤツは一番嫌いだと言われた意味がやっとわかって」と言ったので、そうか、この子が、彼の言っていたと思い出した。
「すみませんでした」と謝ったので、
「彼のことを好きなら、テニスでもほかの事でもがんばった方がいいよ。そういう人のほうがいいみたいだから」と言ったらうなずいていた。
「明日から、一緒にがんばろうね」と言ったら、うなずいていて、
「すみませんでした」と離れていった。気持ちってどうしようもないのかもしれないな。私だって、相手にしてもらえないことは分かっていても、彼が他の人と仲良くしている間、辛かった。彼女達は正直なのかもしれない。私は、駄目だなと落ち込んでしまった。先輩に言わないとね。はっきりと「別れましょう」って。でも、付き合っていないのに「別れましょう」って、変だよね?……と考えていたら、
「どこに行くんだ?」後ろから声を掛けられた。
「山崎君」振り向いたら彼がいたので、思わずそう言った。
「どうせ、一人で帰ると、また巻き込まれそうだよな。待ってろよ。準備してくる」
「でも」
「そのほうがいいからな」
「いいよ、一人で帰ります」
「だって」
「そのほうがいいの。私は未熟だから、山崎君のそばにはいたらいけないの」
「なんだよ、それ?」
「そういうことで。おめでとう、今度はちゃんと応援できるようになってから来る」
「隠れてこそこそ、もっと前に出ろよ」
「それができるようになってから来るね」
「そうか」
「ということで帰ります」
「気をつけて帰れよ」と言われて、つまずきそうになりながら歩き出した。
「心配だよな」と言われているのには気づかなかった。

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