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「いいじゃない、心配だから調べてあげたのよ」とサリが言い返したら、
「そういうことしないでよ、勝手に」と言って、私を見てから、
「そうか、九条君に振られたから、わたしのことをうらやましかったんでしょ。相手の男性、とてもすてきだからやっかんでいたんでしょ。由香ちゃんは自分の方を頑張ればいいでしょ。あ、でも、おとなしいから、九条君に声もかけられないからって、私の恋をねたんで妨害したの?」と次々に言ってきた。
「ちょっとひどいよ、言い過ぎ」とエミリが止めようとしたけれど、
「ごめんなさい」と、頭を下げた。
「内緒で調べるなんていくらなんでもひどすぎる。彼に怒られちゃう。彼、学校では友達と話したいから来ないようにと私に言ってたのよ。だから、私だって遠慮してたのに」と言われて驚いた。
「何よ、その顔」私の顔を見て美優ちゃんが八つ当たり気味に怒っていたけれど、教えていいかどうか迷い、
「久我山に、相手に会いに女の子が来てたらしいわよ。何度もね」興奮しすぎていたサリが言い出して、
「ちょ、ちょっと」と周りの子があわてて止めていたけれど、
「なによ、あの女」と美優ちゃんがすごい剣幕でにらんできて、
「こ、こわい」と入り口近くで男子学生がつぶやいているのが聞こえたけれど、それどころじゃなくて、
「ひどいじゃない。教えてくれたらいいでしょ。そういう話は早く言ってよ」
「あら、さっき、『裏で何をしているのよ』と言ったくせに」とサリが言い出して、
「サリ、ちょっと、興奮してるでしょ、落ち着いて」
「自分に彼氏がいないからでしょ、やっかんでいるのよ」
「ちょっとやめなよ」とエミリがあわてて止めた。
「いつよ、いつから、あの女、学校に何度行ったのよ?」美優ちゃんが私に近づいて肩を持ってから揺さぶってきて、
「え、あ、そう言われても、友達に聞いたから、えっと、とにかく落ち着いて」
「落ち着けないわよ。あのね、私がどれだけ努力したと思ってるのよ。毎日こまめにメールをして、忘れたころに電話をして」肩を何度も揺さぶられて、止めようとしたけれどすごい力で、ダメだ、興奮しすぎている。
「忘れないでしょ。あれだけまめに電話をしてたら」とサリが空気も読まずに口を挟み、あわててエミリが口をふさいでいたけれど、サリちゃんは背が高く、簡単に外されていた。
「とにかくね、私はすごく努力してたの。由香ちゃんもサリもやっかまないでよ。邪魔しないで。映画に一緒に出たって相手にもされてないからって、やっかんで」と言いかけたら、横から誰かが来て、美優ちゃんの手を払った。

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