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 車で送ってもらいながら、
「なんだか、初めての経験が増えていきそうだな」
「そうか?」
「あなたと話すだけで、わからないことがいっぱい増えていきそうだ」
「それは俺も同じだ」
「男子学生も失礼な人が何を考えているかなんて興味もなかった。幻滅して終わり。相手を抹殺していた」
「物騒だな」
「存在を無き者にしないとやってられない人って多いんだってば。エミリと違って、私は結構当たられやすいのかもね。八つ当たりされやすいってこと」
「そうか?」
「千花ちゃんとか、呉屋先輩とか、本島朝日とか」
「最後の男は知らないぞ」
「『大橋は綸同が好きだ』とクラスで暴露してくれた男」
「変な奴」
「そいつ、振られていたみたい」
「誰に?」
「ひーちゃん、ああ、森園君と一緒になって、綸同君とくっつけようとした女友達なんだけれど、彼女に教えてもらった。本島朝日は、そうやって、誰と誰が好きかを茶化すことで、自分が好きな人に探りを入れて 、からかって遊びたかった。私はその延長で巻き込まれたんじゃないかって。そういうことをする時点で、子供すぎて相手には嫌われていたみたい」
「自分で自分の首を絞めてるってことか?」
「小学生みたいな行動だから、嫌がっていたみたいだから。相手の子、すごーくかわいくて人気がある子だったから、どちらにしても本島朝日だけは付き合わないと誰でも分かりそうなものだけれど、あいつはね、自分は学校の人気者だと勘違いしてたから、分かってなかったって。それで、相手の女の子が二つ上の先輩と付き合っていると聞いて、『嘘だー!!』と叫んだらしい。クラス会でね」
「ふーん。お前に嫌がらせすると自分に返ってくるんだな」
「え?」
「犬童も相川もその本島とか言うやつも、自分が好きな相手には一生振り向いてもらえないかもな」
「おーい」
「でも、多分、そうなると思うぞ。あのままの性格を続けていけばね」
「え、だって、結構強気で積極的だから、いつかは実る可能性が」
「消極的なお前より、あいつらのほうが難しいと思う。『それでもいい』と言う相手を、最初から選んでいないからね」
「なるほど」

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