意外なカップル

 部活の方がもめだして困ってしまった。美鈴ちゃんが「私も出たい」と、とうとう言い出して、後輩もあちこち裏で言っていたらしく、矢上さんが、
「もっとしっかりしてください」と言ったため、みんながふてくされていた。空気が悪い……と困ってしまって、しっかり者の千紗ちゃんがアイデアを出していた。
「一度きちんと試合をして選手を決めるにしても、今は候補という事にして、入れ替えを行ったら」と提案していて、
「それは考えてはいたのよ」と小平さんが言った為、困った顔をしている人と、自信満々の人と分かれていた。
「だったら、私にもチャンスがありますね。いっぱい練習します」とロザリーが明るく言い出して、みんながすごいなあ……という顔で見ていて、私は困ってしまった。負けるなあ。このままだとね……と考えてしまった。
「ああ、それね。いいと思うぞ」と拓海君に相談したら、意外にもそう言われてしまった。
「確実に私は出られなくなるなあ」
「今のままならね。でも、お前の場合は有利に立ちたかったら、もっと練習しろ。裏でね。勉強と一緒だ。授業だけ聞いてたってテストでいい成績は取れない。人と同じ練習していて上手くなるかよ。陰の努力をしろ。小平さんみたいにね」
「え?」
「知らないのか? 彼女は家に帰っても素振りを欠かさない。それから、壁打ちもいつもやってるよ。お前もお前ができる事をすればいい」
「私の努力ねえ」と考えていた。

 次の日に、百井さんのサーブを打つときに私も後ろにいて、注意点を教えていた。トスの位置や、その他フォームの狂いを調整した。彼女は勝気な性格だったけれど、意外にも素直に聞いてくれて、フォームが安定していくとともに、フォルトする事が少なくなっていき、かなり良くなっていった。
「しかし、佐倉さんは細かく見てるわね。意外」と百井さんに言われて、
「そうかな?」と言ったら、笑っていた。話してみると意外とさっぱりしていて、負けん気だけれど、意地悪くなくて強気なだけだったので、好感が持てた。意外だったのは一之瀬さんの方で、ロザリーの事を意外と親身に教えていて、男子の方で掛かりきりになっていた。小平さんは一緒に練習できなくて少し焦っていたようだけれど、自分も湯島さんや、菅原さん、一年生の方を教えるようになったため、みんなに感謝されていた。
 そうやって、がんばっていたけれど、男子のほうがもめだした。原因は、
「ロザリーは俺と付き合ってくれると言ったぞ」
「俺にも言ったんだよ」とやりあっていて、
「おー、何やってるんですか?」とロザリーがのんきに言っていた。両方とデートする約束をしたらしい。
「ロザリーはどっちと付き合うんだ?」と聞かれて、
「両方です」
「なんでだよ」と男子が怒り出した。当たり前だ。気が多すぎる。
「だって、多くの人と付き合うのもいい経験だと思います。拓海に『そのうちに付き合ってくれますか?』聞いたら、少なくても友達ぐらいなら考えてくれるそうでーす」と言ったため、みんなが唖然となった。それはちょっとなあ。
「ひどいよ、ロザリー」と2人がぼやいていた。
「それはすごいかも」と緑ちゃんがからかうように言っていて、
「おー、拓海。両方と付き合ったら、クリスマスは家族と一緒にいましょうねえ」と体育館から出てきた拓海君に声をかけていた。
「何度言ったら分かるんだよ。お前はそう呼ぶな」と怒っていて、
「駄目ですか? 他の人そう呼んでいまーす」と言ったため、
「一部を除いて禁止なんだよ。それに拓海とは呼んでいない。タクだ。絶対呼ぶな。お前はね」とつれなく言っていた。
「駄目ですか? 佐倉、そう呼んでますと聞いてます」と言ったため、困ってしまった。
「ばれてるよ。聞いちゃったもの。拓海君と呼んでいたらしいねえ」と緑ちゃんが言った為、困ったとうつむいた。
「当たり前だろう。詩織は元々そう呼んでいたんだよ。だから、戻しただけ、お前とは訳が違う。何しろ、幼馴染なんだからな」と拓海君が言って、ロザリーが、
「おー、くさい仲」と言ったため、爆笑になっていた。
「腐れ縁だよ。くさい仲だと、変だぞ」と木下君が訂正していた。

 クラスでも、拓海君と呼んでいるのがばれてしまい、
「いよいよ、怪しいなあ。白状しようぜ」と蔵前君に言われていて、
「その前にあの一年生はどうした?」と拓海君が聞いていた。あの一年生とはかわいいことで有名な演劇部の子で、二谷さんという子だ。演劇部の手伝いをしていたときに見たけれど、確かに飛びぬけてかわいかった。あの舞台でも出ていて、男子がかわいいため、目をつけた人も多くて、うるさくなっていた。
「俺のだぞ。美樹ちゃんは、俺が目をつけたんだ」
「いや、俺の方が先だ。かわいい、素敵だ。あの声、しぐさ、どれを取っても、その辺の女とは全然違う」と言ったため、
「悪かったわね」とあかりちゃんが拗ねていた。彼女は拓海君に少し憧れていたようだけれど、蔵前君のことも気になっていたようで、だから、機嫌が悪そうだった。
「ああ、あれこそ天使だ。地上に舞い降りた天使」
「いや、あのかわいらしさはこの世のものとは思えない。この辺と比べるな。穢れる」と言ったため、すごい顔で女の子が睨んでいて、それに気づいて慌てて口をつぐんでいた。もう遅いかも、後が怖い。
「しかし、かわいい子って何で少ないんだろう?」とまだ、性懲りもなく言ったため、
「こっちの台詞だ。カッコいい人が少ない」
「そうかなあ。女ってすぐそれだよな。顔とか成績とか運動神経とかさあ、一人に集中してさ。戸狩といい、本宮といい、やめておけよ。俺もいいと思うけれど」と蔵前君が言い出して、
「無理だよ。やっぱり、そっちをつい見ちゃう」とみんなが笑っていた。
「お、珍しく、宮内が何も言わない」と言っていて、
「怒られちゃったんだよね。いろいろさあ。そういうことはやめろって、色々裏で愚痴を聞いてもらってたら、『お前はそういうのはやめた方がいいぞ。そのほうがいいと思う』と言われたの。だから、やめる」
「お、男に言われると変わるのか?」とみんなにつっこまれていた。あれほど、色々言いたい放題言っていたのに、とびっくりした。
「宮内もあかりもやめろよな。いくら言っても、やっかんでも佐倉いじめると、よけいタクに嫌われるだけだぞ。こいつ、意外とそういうのは許せないからなあ。女は怖いと思われて損だ。やめておけよ」と戸狩君が笑った。
「それはあるね。山崎君と少しでも話したかったけれど、でも、面白くないから、つい、色々言ってるのを黙って聞いてたけれど、それも良くないかもって反省した。黙って聞いている人が多いのも許せないって、この間言われたから、そういうのは良くないものね」とそばにいた女の子が言って、みんなが考え込んでいた。
「黙って見てるほうが楽だからなあ。つい、係わり合いになりたくないからって思っちゃうんだよな。クラスの問題だと言われても、『そんなの俺に関係ないな』と思ってたところあったかも」と佐々木君が言い出して、
「そうか? そんなの個人の問題だろう? 漬け込まれるほうが悪い。狙われる方が悪いんだよ」と遠藤君が言い出したため、シーンとなっていた。そうか、彼は心の底ではそう思ってたんだ……。
「違うだろう? 悪いのはどっちだよ。善悪の区別もつけられないのか? 狙うほうが一方的に悪いんだよ。狙われる方が悪いと思うのは、それだけ、自分の弱さを認めていないからだ。助けないのもそうだしね。だから、狙われる方が弱いと思い込もうとして、正当化しているだけだよ。そういう子を助けない自分は悪くないと思いたいから、そう思い込もうとしていてね。でも、いじめてるヤツとなんら代わりないよ。そうやって、見過ごして、自分は自分、他人は他人って突き放してね。そういう態度があるから、いじめもシカトもなくならない」と拓海君が言った為、みんなが困った顔をしながら、どこかで肯定しているなって顔をしていた。
「そうだね。それは誰にでもあると思うよ。大事なのは、間違っていたと気づいてからはやるべきじゃないってことだと思うな。繰り返さないってことだとね」と弘通君が諭すように言ったので、みんながうなずいていて、
「ま、結論から言うとそういうことになる。誰でも、係わり合いになりたくないさ。俺だって学級委員やっていなかったら、どう対処しているか分からない。みんな、そこまで上手くやれないさ。中学生だから、中途半端な時期だしなあ」と戸狩君が言ったのを、それぞれが考えるような顔をしていた。

「恋愛が絡むと難しいよ」と桃子ちゃんが昼休みに言った。
「どうして?」と知夏ちゃんが聞いていた。彼女は、最近、別の女の子と一緒にいたけれど、またこのグループに戻ってきていた。
「実際問題さあ、自分が好きな男子が別の女子を好きだったと分かったら、ショックだし、それを納得できるわけないもの。そのせいもあって、色々あったなと思う。宮内さんじゃないけれど、そういうのを止めてくれる人がいたら、やめられるけれど、お互いに複雑な年頃だしね、中々言い出せないよ。そういうときに、ああいうことになったらね」
「山崎君と付き合ってるの?」と知夏ちゃんに聞かれてしまい、困ってしまった。拓海君には「はっきり分かった方がいい」とは言われていたけれど、あまりに色々ありすぎて、まだ言い出せていなかった。
「はっきりしないなあ」と言われてしまい、うな垂れた。
「そういうことは困ると思うわ。友達だし、幼馴染だしね」と碧子さんが言ってくれて、
「でも、気になることは気になる」と桃子ちゃんが笑っていた。
 お弁当を食べ終わってから、廊下で、碧子さんと話をしていたら、夕実ちゃんが寄ってきて、
「知夏ちゃんのことは気にしなくていいよ」と言ってくれた。
「でも」
「弘通君にはっきり言われたんだって。『好きな子がいるから、気持ちに応えられない』ってね」そんなこと。
「それではショックでしょうねえ」と碧子さんが言った。それは分かるけれど、
「相手はどうしても教えてくれなかったらしいけれど、それでも納得できないみたい。だから、しばらく離れていたけれど、でも、別の子と一緒にいて、向こうがほかの子と仲良くなったから、それも面白くなかったようだし、でも気にしなくてもいいと思うな。そういうのはこれからいくらでもね」うーん、言われて見れば……。
「クラスで人気がある人と仲がよければ、そうなっちゃうよ。こっちも苦労しそう」と夕実ちゃんが言った為、碧子さんと顔を見合わせた。
「ああ、あのね。松平君と付き合うことにしたから」松平君? とびっくりした。彼を知らない人はいないだろうと思う。
「あの方、とても、後輩に人気があるらしいわね」と碧子さんが優雅に言った。そう彼は後輩には人気がある。他のクラスの女の子にも人気がある。何しろ、顔がすごいのだ。彫りの深い顔立ちで、俳優にでもなれそうだ。ただ、背が低めで勉強もごく普通の成績のため、「同学年よりも下の学年の方が人気がある」と、あかりちゃんがもっともらしく解説していた。でも、人となりはとてもいい人だと聞いていた。
「それはすごいよ。人気あると聞いた事が。先輩も、後輩も『同じクラスなんですか?』と何度聞かれたことか」と言ってしまった。そう、それぐらい、目立つのだ。知らない人はいないかもしれないなあ。
「山崎君だって同じじゃない」
「でも、松平君はとても人気がおありでしたよ。小学校から」と碧子さんは同じ小学校出身なので、そう言った。
「そうなのかも。でも、付き合いたくて、がんばって告白したの。まさか、付き合えるとは思っていなかったけれど」とうれしそうに言ったので、
「良かったね」と言った。夕実ちゃんは本当にうれしそうだった。

 その日の帰りに、夕実ちゃんと松平君が一緒に廊下で楽しそうに話をしていて、その後、一緒に帰っていたため、注目の的になっていた。
「うーん、しばらく、うるさそう」とあかりちゃんがうらやましそうに言っていて、
「俺達も帰るか?」と蔵前君にからかわれていて、
「だれが、あんたなんかと」とやりあっていた。
「しかし、あちこち、楽しそうだ。俺も美人を狙おう」と戸狩君が寄ってきて言った。
「バレー部の木村さんは?」と聞いたら、笑っていて、
「お前、情報が早いなあ」と言ったため、
「緑ちゃん情報だよ。戸狩君に一之瀬さんが『今度はそっちにする』と言った為、そう言ってたよ」
「テニス部でも話題なんだな。次から次へと変わっていく女が多いなあ。俺はやっと諦めたというのに」と笑っていて、そうか、碧子さんは諦めたんだなと思った。
「恋愛って、あちこちめまぐるしいなあ。クリスマスの前だからかなあ。うらやましい」とあかりちゃんがしみじみ言っていて、碧子さんが弘通君たちと一緒に廊下にやってきた。
「ねえ、誰か紹介して」とあかりちゃんが言ったのを、2人が笑っていた。
「最近、そればかり言ってるなあ。お前、蔵前に言えよ。好きだってね」と戸狩君が言って、部活に行ってしまった。
「そうなの?」と聞いたら、
「そんなわけないでしょう」とちょっと怒りながら言った。「あれはどう見てもそうだね」と思ってしまった。
「でも、うらやましいわ」と碧子さんが言い出した。
「あかりちゃんと蔵前君、お似合いだけれどねえ」
「難しいよ。幼馴染って恋愛相手として見ることは普通はないね」とそばにいた男子が笑っていて、
「しかし、山崎はつくづく物好きだよな。説教までされるとは」と遠藤君が言い捨てて、帰っていった。
「最近、すぐ帰るよ。付き合い悪くなってきた」と佐々木君と光本君と須貝君が一緒に教室から出てきて言ったので、びっくりした。そう言えば、演劇部の練習のときとかいなかった。
「あいつ、なんだか焦りがあるのかもね」と弘通君まで言い出して、そうなのかなあ? と考えていた。
「俺以外全員、中野小学校だろう? いいよな。俺と佐倉が海星小学校で、戸狩と山崎が南平林だしなあ。バラバラだよな。遠藤は昔って、あんなんだったか?」と光本君が聞いていた。
「そう言えば、光本君って同じ小学校だったんだね」と聞いたら、睨まれた。
「お前さあ、ひょっとして同じクラスだった子とか覚えていないとか言わないよな?」と聞かれて、
「さあ、それはあるかも」と言ったら、
「そうだろうと思った」と光本君が言って、みんなが笑っていた。

 部活に行ったら、出身小学校の話になっていた。ロザリーが言い出したからだ。
「いいよな。アメリカならさあ」
「ハワイでーす」ハワイもアメリカだったんだ……。
「しかし、それでも日本語上手だ」
「私はお母さん日本人ですから」
「そうか、いいよなあ」とみんなが笑っていて、
「どこのハーフなんだ? イタリアだっけ?」と聞いていて、
「イタリアとプエルトリコです」と言い出して、どこ、それ?……と考えてしまった。
「でも、戻っちゃうの?」とみんなが聞いていた。
「お父さんの仕事の関係でこっちにいますが、そのうちまた転勤するかもしれないです」
「そうなんだ?」とみんなが聞いていた。
「転勤はあるよな。転校がありそうなヤツいるか?」
「社宅はいるよなあ。後、県営もあるしな」
「そう言えば、佐倉も転校生だよな。どこだったっけ?」
「山神」
「どこ、それ?」とみんなが聞いていて、
「どこにあるの?」と聞かれて、
「T町だよ。ここから2時間はかかる」
「へえ、田舎だったっけ?」
「そうだね。自転車通学が基本だもの。バスなんかあまり通らない」
「すげー、田舎」とみんなが笑っていた。
「しかし、そこまで田舎なんてね」と一之瀬さんと前園さんが意地悪そうに言った。
「しかし、田舎で外車はすごくないか?」とそばにいた男子が言った為、その2人が機嫌悪そうにしていた。
「外車?」
「だって、あの外車で会いに来たんじゃないのか?」
「来ないよ。お父さんだって来ていなかった。忙しくてね」
「そうなんだ」とそれ以上は聞かなかった。
「でも、素敵な服よねえ。ああいうのを着たいなあ」
「高そうだったね」と聞かれても、
「さあ」と言ったら、男子がずっこけていた。
「お前、親のことを知らないのか?」と言われてしまい、
「謎だからねえ。どこに住んでいるかも知らないし」
「親なのにか?」
「会っていなかったもの。今年度になってから再会したから、幼稚園の時以来だし、しかも、記憶はないし」
「え?」とみんなが驚いていて、
「それってすごくないか?」「ありえないだろう」「いや、佐倉ならありえるな」「記憶力悪いんじゃないの」と前園さんが最後に意地悪く言ったため、
「そんな言い方は」と美鈴ちゃんが困った顔をして止めていた。
「悪い方じゃないのだけれどね。よく覚えていないの。その頃のこと」
「あれ? だって、山崎君って、そのときの幼馴染なんじゃ?」
「そうだったらしいけれど」
「おい、お前は覚えていないのか?」と木下君に聞かれてうなずいた。
「そうなのか? あいつは良く覚えていたなあ」とみんながびっくりしていた。やはり、変なのだろうか? 父に聞いたほうがいいかもねえ……と考えていた。

 その日の夜に、父にその疑問をぶつけてみた。案の定、また目をそらしていて、
「お願いだから、教えてよ。どうして、記憶がないの? お母さんと何か」
「やめなさい。そういう話は聞きたくない。疲れているんだ。その話はするな」と言われてしまい、困ってしまった。しかし、その日の夜、私が下に降りたとき、ひそひそ話をするような声で、父が誰かと電話していた。
「そんなことを言ったって、園絵が。…………ああ、それはわかるけれど」相手は誰だろう? 
「分かったよ、連れて行けばいいんだろう? …………、ああ、そうするよ。今度の日曜日にね。え?」と父が驚いていて、
「しかし、彼には、…………、ああ、そう言われるとそうだけれど、でも…………、なんていうか、向こうの都合が、…………聞いてみるよ」と言ったので、誰の事だろうな? と考えてしまった。廊下で階段のところに座りながら、聞いていて、そのうち、父がトイレに入りたかったようで、こっちに来て、私が座っているのを見て、かなり驚いていた。
「お前」
「相手はだれ?」と聞いたら、黙っていた。かなり黙ったあと、
「今度の週末に、おばあちゃんの所に行こう」と言われて、びっくりした。おばあちゃんだったんだ。
「あの……」
「彼にも都合を聞いておいてくれ」
「彼?」
「山崎君だ。彼も一緒に行こうと伝えておいてくれ」と言われて、
「どうして?」と聞いたけれど、それには答えずに、
「聞いておいてくれ。一緒に車で行こうと伝えておいてくれればいい」と寂しそうに言った。それ以上は聞けなかった。

back | next

home > メモワール

inserted by FC2 system